■MotoGPのあゆみ

MotoGPプロジェクトが生み出すもの

 だが森脇護は「悔しかった」と言う。ヨーロッパから帰ってきたときの感想だ。
「向こうでは丘の向こうまで観客が埋まるんです。決勝日だけで観客数が20万人を超えたと言ってました。その観客の一人一人がレースを凄く知っている。レースの関係者もファンを、とくに子供をすごく大事にしているんです。未来のファンであり、選手としてね。日本はすごく遅れていると思いました。なんとかしなければと思ったんです」

 今、森脇は日本で新しいレースを立ち上げる準備をしている。そしてGPライダーの松戸直樹を起用して全日本選手権にフル参戦し、2004年に休止した鈴鹿8耐に備える。またモリワキクラブを充実させ、鈴鹿4時間耐久を制覇するライダーを育てている。MotoGPも1ないし2戦出場の予定だ。つまりレースフル回転なのである。

「MD211VFのフレームは、もう作り方が一段落しました。体制さえ整えばMotoGPで十分レースをできる自信があります。ですがエントリーが我々の最終目的ではない。ノウハウをレース界のために使わなければというのが使命です。全日本や地方選手権のレースを盛り上げ、若いライダーやメカニックを育てたい。皆により長くレースを楽しんで欲しい。そのためのお手伝いをしたいんです。この2年間、十分に勉強させてもらいました。それを皆さんに伝えていくのが、2005年からの我々の仕事となります」

 モリワキの挑戦は終わっていない。その目標は4耐、8耐、全日本、MotoGPで一貫している。大切なのは挑戦する姿勢と、物事に対する考え方。勝利は後からついてくるものなのだ。